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2023年9月の記事一覧

上級生の姿から学ぶ

本校は日頃の授業実践を通じ、「一人も取り残されない、受容的な学級集団・学習集団」の基盤づくりを始めて4年目となります。6年生はその積み重ねがいちばん大きく、毎日・すべての時間とはいかないまでも、主体的に学習に取り組み、建設的な対話ができる集団に育ってきています。

この日、6年生は社会科で歴史を学んでいました。そんな姿を5年生が教室で目の当たりにしていました。

普段、他学年の授業を見る機会といえば、せいぜい学校行事や体育などの授業で場を共有するくらいですが、子どもたちにとって、それは視点を持って意識的に観るというよりは「見える」「見て楽しむ」方が自然かもしれません。しかし、この日は明らかに「見学」すなわち「見て学ぶ」ために来ていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授業時間の半分ほど見学した後、自分たちの教室に戻り、担任の先生からの「どうでしたか?」の投げかけから振り返りが始まりました。

初めのうちは6年生の「教室環境」「授業態度」の類の発言がされていましたが、次第に「発言の仕方」「発言の聞き方」「調べたとのまとめ方」「板書の特徴」など、6年生の学習スタイルへと本質的なところに意識が向いていきました。

 

 

 

 

 

 

授業の最後に、半年後の進級を待たずに「今からできること・していきたいこと」を個人のまとめとしてノートに書いていました。

授業における主体的な学びの姿

6年生の子どもたちは今、友達の意見に耳を傾け、「付け足し」「反対」「新たに」など、自分の考えとの関係性を意識しながら発言しています。(意思表示の合図となっているハンドサインの違いが分かりますか?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その際、担任の先生は、1時間の授業でめざす目標やテーマを始めに提示するものの、指名や板書など、進行のかなりの部分を子どもたちに任せています。ときには停滞したり軌道修正することが必要になったりすることもあるので、つぶやきや質問などにより、さりげなく刺激を与えます。

 

 

 

 

 

 

全体の話し合いに至るまでに、一人で調べたり考えたりする時間があり、タブレット端末でワープロやスライドのアプリを使って簡単にまとめておきます。場合によっては、友達の学んでいる様子を見せてもらったりアドバイスをもらったりするために席を離れることもあります。

話し合いの場面において、進行役の子どもたちは、指名した子が発言すると、これまでのものとの関連を考えながら黒板に追記していきます。発言のたびに短時間で他の意見との関連を判断するので、いちばん脳みそを振り絞っているかもしれません。場合によっては、その場で判断しきれず、発言した子のそばに行って発言内容を再確認することもあります。