2024年6月の記事一覧
盲導犬ユーザーとの出会い
4年生は総合的な学習の時間で「福祉」をテーマに学習しています。
この日は、町内にお住いで盲導犬ユーザーの板嶌さんと盲導犬のテスをお招きし、日常生活についてのお話と盲導犬誘導体験の機会をいただきました。
板嶌さんが日常生活を送るうえで、スマートフォンやスマートウォッチなどのICT機器は非常にありがたいもので、文字盤がよく見えなくても音声出力で時間やメッセージを知ることができ、音声入力によってメッセージを送ることもできます。
板嶌さんは子どものころから物が見えなかったのではなく、社会人になってしばらくしてから見えなくなり始めたそうです。また、完全に見えないわけでもなく、わずかに感じる光や気配を頼りにしているとのことでした。
チャレンジ精神旺盛な板嶌さんは、協力してくれる多くのご友人の方々の力をお借りする中、ボルダリング、ヨット、ウィンドサーフィン、ゴルフ、サーフィン、スキーなど、いろいろなスポーツを経験されており、その姿を画像や動画で拝見してとても驚きました。
(ヨットはナビゲーション機器の力を借りて、一人で操縦していました。)
板嶌さんの日常生活に常に寄り添っている盲導犬のテスは、歩行の誘導だけでなく、椅子の座面の位置がわかるよう示してくれていました。また、希望する子どもたちを相手にふれあってもおとなしく受け入れてくれました。
最後に、町で視覚障がいの方に出会ったときのサポートの仕方について教わりました。気さくに声をかけ、サポートを求められた際に肩を貸してあげることも一つの方法であることを知りました。
見えないことは不自由でも、協力してくれる人やICT機器の力を借りて様々なことができると分かったこと、盲導犬の姿とささやかなサポート方法を知ることができたこと、このような素敵なことを教えてくださる方に出会えたことは、子どもたちにとって非常に貴重な機会となりました。
板嶌さん、二宮町社会福祉協議会の佐藤さん、ありがとうございました。
平行四辺形の特徴を見つけよう
「しかく」から「四角形」へ、さらにその範疇の特殊な四角形へ…。
○幼い頃...
ものの形を識別する名前をおおまかに「まる」「さんかく」「しかく」などと言っていた時代があったかと思います。
○小学校2年生...
誰もが同じ言葉を使って同じように認識できるよう定義づけ(図形をかたちづくる際のきまり)を学び、「直線で囲まれた形」としての「三角形」「四角形」が登場します。
そのうちの「四角形」に、「かどがみな直角」という条件を加えると「長方形」が登場し、さらに「辺の長さがみな同じ」という条件を加えると「正方形」が登場します。
○小学校3年生...
「三角形」についても同様に、どんどん条件を加えると、「直角三角形」や「正三角形」「二等辺三角形」など、特殊な三角形がどんどん登場します。
○小学校4年生...
「かど」から「角の大きさ(角度)」へと見方が広がり、三角定規をあてるだけの状況から分度器を使って実測することができるようになります。また、「辺の長さ」という個別の事象に注目していたものが、辺の並び方に着目して「平行」「垂直」という関係性へと見方が広がります。
さて、この日の授業は「平行四辺形の特徴を見つける」ことが目標でした。前日までの授業で、台形と平行四辺形の定義づけを学び、辺の並び方については知っている状態で臨みました。
3,4人の小グループで、図形の描かれたワークシートを真ん中に置いて囲み、何を調べようかと相談しながら、それぞれ辺の長さや角の大きさを調べたり、ちょっと離れて眺め、辺の並び方について考えたりする班もありました。
発表の場面では、個々に調べたことは正しく、ほとんどすべての班で共通していましたが、「向かい合っている」もの同士がどうなっているのかに意識が及ぶまであと一歩でした。今後、このように学んだ知識を組み合わせてわかることを考える経験を積み重ねていけば、より深い学びとなります。
図形をかたちづくる一つ一つの部分の個数や大きさ、長さを計測することは、これから学ぶ図形が複雑になっても大切な視点として、またものづくりや整理整頓など生活経験においても大切なスキルとして、算数の授業をきっかけに様々な機会をとらえて熟練させていきたいものです。